中東書記(聖書と呼ばれる書き物)を読まない男、紙様にぼやく

本、新聞などの記事について もごもごと感想を書きつつ、どこぞのカルト宗教に取り込まれてしまった方々についてぼやいております。

「マインド・コントロール あなたのすぐそばにある危機!」を読む

一般の人がエホビアンの教義や雑誌の内容を見て、「なんだこりゃ」と思うことは多々あると思う。しかしエホビアンはおかしな内容でもまったく気にしない。そこには「マインドコントロール」という厄介なものが絡んでいる。

これまでにもスティーヴン・ハッサン氏の「マインドコントロールの恐怖」を読んだが、「こんなバカげたことを信じるなんて」と思うことを信じさせるように仕向けるのがマインドコントロールだ。

今回読んだ「マインド・コントロール あなたのすぐそばにある危機!」は、日本人の弁護士が書いた、日本人向けのマインドコントロール解説本と言えるだろう。

 

キリスト教の浸透している欧米諸国と違い、日本には深い根をはった宗教がないと、著者は述べている。

例えれば、お正月には初詣(神道)、葬式は仏教で行ない、結婚式は神社で式を挙げる。クリスマスの時だけ教会に行ってミサに参加し、最近ではハロウィンのイベントにも積極的に参加したりする。

節操がないということもできるだろうが、個人的にはこの寛容さが様々なものを拒絶反応なく受け入れられる懐の広さにもなっているのだと思う。ただ、受け入れるものが怪しいものかどうかの判断は難しく、そこが新興宗教やカルトの入り込む隙になっている。

オセロの中島さんや、X−JAPANのTosh1さんの例も書かれている。マインドコントロールに陥った過程は、カルト宗教の勧誘手法にもあてはまる。

本書では特に「統一教会」について書かれている。新聞の広告に載っている開運グッズ系の多くは「統一教会」がらみの霊感商法らしい。

 

残念ながら、この本で「マインドコントロール」に陥った人を救うことはできない。しかし「マインドコントロール」というものを知ることで、自らが罠に陥らないことはできる。そして、誰でもマインドコントロールされる可能性があることを知ることができる。

もし覚醒したエホバの証人二世の方がいたら、「自分はこうやってマインドコントロールされていたんだ」と認識し、組織に騙されていた自分が悪いのではない、と自分を責めることをやめられるかもしれない。

まあうまく説明しきれないところがたくさんあるので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

 

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