中東書記(聖書と呼ばれる書き物)を読まない男、紙様にぼやく

本、新聞などの記事について もごもごと感想を書きつつ、どこぞのカルト宗教に取り込まれてしまった方々についてぼやいております。

「エホバの証人の子供たち」を読む

これまで読んだ元エホバの証人の本は、主観的(一人称的?)な書き方をしている。当然著者の感情がよく言えばストレートに、悪く言えばあからさまに出る。

この「エホバの証人の子供たち」の著者の文体は、自分自身はただの取材者で、これまでJWとは何の関わりもなかった一般人が書いたもののように見える。それくらい客観的な書き方をしている。

この自分の主観を極力持ち込まないことで、「JWを憎め!JWは悪だ!」と一方的なアンチ本にしていない。とはいってもエホバの証人が問題のある組織であることは著者もはっきりと書いている。何か壮絶な体験談を期待すると肩透かしを喰うかもしれない。

それでも淡々と書かれているエホバの証人の子供たちの体験は、それなりに知識を得た人にとっては充分に重く感じられる。

著者のブログを読んだせいなのだが、まるで他人の言葉を書いたようにして、自分の体験をちりばめていて、時々「お」と小発見をした気分になる。

彼の壮絶な半生(と書いてよいのか?)にもかかわらずあまりに淡々とした書き方なので、エホバの証人の組織や趣味の宗教を強制したご両親に向ける怒りがどうして吹き出さないのか、と不思議な気分になる。

 

いつものことだが、下手な感想文では内容が理解できないと思うので、お読みでない方はぜひ読んでいただきたい。

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そしてエホバの証人を配偶者や親に持つ信者でない方へ。著者である秋本弘毅氏が現在ブログを公開している。このブログを読むことで、熱くなりっぱなしの頭を少し冷やすことができるかもしれないので、こちらもぜひご覧を。

新エビのしっぽ