「フェルマーの最終定理」を読む
理系出身ではあるが、数学や物理、化学の勉強は苦手だった。
社会人になって「もっと真面目に勉強していればよかった」と思うことは多々あるが、教養としての自然科学はとてもおもしろい。何しろテストで採点されないのだから。
数学と思わずにパズルを解く感覚で入れば、素敵な数の世界に溺れてしまうことだろう。
物理学や化学に解明できていないことがあるように、数学にも解明できていない謎がいくつかあるそうだ。
今回読んだ「フェルマーの最終定理」という本は、300年間証明されなかった「フェルマーの最終定理」が証明されるまでの物語だ。
この中でフェルマーの書いた注意書きが多くの数学者ばかりでなく、一般の人々を虜にしてきたことが書かれている。虜になった数学者は、数の世界で素晴らしい貢献をしてきた天才ばかり。
その彼らが魅了されたにもかかわらず解くことのできなかった「フェルマーの最終定理」。
本の中では「フェルマーの最終定理」に関わった方々の物語をドラマティックに語っている。フェルマー自身一癖も二癖もある人物だったらしく、自分の発見について周りに知らせはするが、その詳細については明かさない、ちょっと意地悪なところがあったようだ。
数の世界についての本ではあるが、数学的に難しいことはなるべく書かないようにしているので、数学と聞いてじんましんの出る方でも多分読めると思う。
実際の証明について自分は一生かかっても理解できないものだと思うが、この証明にいきつくまでの数学界の発展や人々の関わりは非常に興味深いものだった。
数学における「二重らせん」に相当する傑作だと思う。
https://www.amazon.co.jp/フェルマーの最終定理-新潮文庫-サイモン-シン/dp/4102159711
https://www.amazon.co.jp/二重らせん-ブルーバックス-ジェームス-D・ワトソン/dp/4062577925
日常生活にも数学は欠かせぬものだ。そしてパズルも数学的な要素がある。あるパズルがなぜ解けないかも数学的に証明できる。数の世界は生物を観察するのと同じくらい面白いことだとこの本は教えてくれた。
興味のある方はぜひどうぞ。