失策
どういう反応になるかあまり考えていなかったが、とりあえずダメとは言わないだろう、そうたかをくくっていた。
甘かった。
朝、25日に知り合いの主催するアスレチックに息子たちと行ってくることをツマに告げた。「知り合い」という言葉にツマのセンサーが反応したようで、「知り合いって誰」と追求が始まった。
去年の夏にオフ会で知り合った方の主催だと言うとさらに疑いの目を向けてきた。
ツマ水没直後に参加した元JWのオフ会を、ツマはあやしいと思っていたに違いない。
朝食の後、部屋にやってきて「その会ってエホバの悪口を言う会なの?」と問い詰めてきた。
「違うよ」
「そうなんでしょう?」
「違うって」
「エホバの悪口を言う人たちの交わりに子供たちを連れて行かないでよ!」
「エホバの悪口を言う人はいないよ。ただアスレチックをするだけだって」
「その会に来る人って排斥になった人たちなの?」
「自然に離れた人もいるよ」
そんなこんなで無益な問答を繰り返した。でまた
「エホバの悪口をいう人達の会なんでしょう?」
「エホバの悪口をいう人はいないよ。組織に不満を抱えて出て行った人はいるけどね」
「組織の悪口をいうのはエホバの悪口をいうのと同じよ。そんな人達の交わりなんか、あなた一人で行けばいいでしょう?」
「元々子供たちと遊ぶのが目的で企画した集まりなんだから、子供たちは連れて行く」
「サタンの中に連れ出さないでよ!(んで中東書記の一節を挙げたけど忘れた)」
「その人達よりも俺のほうがよっぽどサタンなんだけど・・・むしろ俺から離れたほうがいいんじゃないの?」
「子どもの前でそんなこと言わないで!とにかく私エホバに祈るから」
「ちょっと待って。祈るだけにしてくれ。祈るだけで子供たちには何も言うなよ。エホバが正してくれるだろうから。」
「いーえ、エホバに祈って行動します。説得するから。」
・・・あああ、大失敗だ。
まったく宗教色のない集まりだというのに、元JWの集まりだというだけで毒グモを目の前にしたように驚き避ける。自分も全然そんなこと気にしてなかったのに。
ツマはありとあらゆる手を使って息子たちの参加を妨害するだろう。おまけに今晩は集会だった。表面的には笑顔を浮かべるブラザーシスターズはやんわりと冷たい言葉を吐くのだろう。
「お母さんの言うことに従いなさい」と。信者ではない父親のことにはまったく尊重せずに。
せっかく自分たちのためにアスレチックの会を企画してくれた皆様に申し訳ない。
でもまだあきらめない。当日までこちらもできることはする。
建前としても、あちらは個人の自由意志を尊重すると言っているのだから、本人が行きたいといえばそれを止めることはできない。
ただ、あらちさんにはこちらよりも多くの時間と「滅びの恐怖」といういやな武器を持っている。
だったらこっちも「神に仕えているなら俺と一緒に暮らす必要はないだろう」という言葉を発する準備はいつでもできている。
さて、この顛末はいかに・・・?