サプライズ避難訓練
17日の明朝。
4時くらいに目が覚め、水を飲んでからまた寝床に戻り、まどろんでいた。
突然警報が鳴った。
「火災が発生しました。すぐに避難してください。」との放送も入った。
あわてて服を着て外に出た。ちょっと見たところ煙の立っているところはない。
マンションの住人も通路に出てきたが、どこが火事か分かりかねている模様。
管理人室に行くと、部屋が解錠されていた。どうも火災警報が鳴ると自動的にロックが解除されるようだ。室内の非常用電話のモニターに、部屋番号が表示されていた。
「あら・・・これお隣さんだ」
あわてて戻るとお隣さんも通路に出ていた。
お隣さんに事情を説明し、室内を確認してもらうことにした。
この時点で少なくとも火災は発生していないことがわかった。
マンションの共用廊下にはたくさんの人が出ていて状況が分からずにいたが、ここまでの状況を把握していた方が、共用通路から「火災警報が発生しましたが、誤報のようです。今SECOMさんを呼んで対応してもらっています」と叫んでくれたおかげでおかしな騒ぎにならずに済んだ。
1時間以上経ってから消防車とパトカーがやってきた。マンションで火災警報が発報しても、その警報を消防署が感知するわけではなく、住人が連絡する必要があるそうだ。
今回はマンションからの連絡はなく、警報がいつまでも聞こえるので隣接するアパートの住人が消防署に連絡を入れたそうな。
原因は火災報知機の故障だと分かったのだが、火災警報の解除ができず、結局火災報知機を取り外しに業者が来るまで、警報が鳴るたびにSECOMの方が一時的に警報を切るスイッチを押す、という対応を繰り返した。
警報が鳴るので怯えて部屋では眠れない子供さんもいたようで、何人かは子供を抱きながら、エントランスや外で警報が止むのを待っていた。
今回の誤報で分かったことは、火災警報が鳴っても消防署に自動で連絡されるわけではないこと。つまり警報が鳴ってから誰かが消防署に連絡しないかぎり消防車は来ないということだ。
ただし今回のような誤報があることを考慮すると、マンションの住民が確認した上で消防署に連絡を入れたほうがよいとは思った。
誤報だった場合に警報を切る方法が今回はよく分からなかった。故障した火災報知機が簡単に取り外せないことも災いしたが、故障箇所をバイパスして警報を解除するようなシステムであればいいなあ、と思った。
2階に住んでいるご夫人が細々したことで動いてくださってありがたかった。その方が最後まで消防署や警察の方の対応をしてくださり、諸々のことがスムースに済んだ。
自分も手持ち無沙汰になったので帰宅した。
時々鳴る警報を聞きながら朝飯を食う。
事情を説明するとツマは「何でもっと早く業者が来てくれないのかしら」と不満タラタラだった。
ツマがその業者の立場だったら「こんな朝早くに突然対応できるわけないじゃない!今日の仕事を終えてからだったらいいけどね」とでも言いそう。
自分が対象の立場だったら、という見方ができないのに閉口した。
ちょっと早い目覚まし時計が鳴ったが、いい経験になった。次の理事会の議事録にその辺りが書かれるだろう。