中東書記(聖書と呼ばれる書き物)を読まない男、紙様にぼやく

本、新聞などの記事について もごもごと感想を書きつつ、どこぞのカルト宗教に取り込まれてしまった方々についてぼやいております。

JWの親を持つ子供の手術(なおじ家の事例)

重複になる部分もあるが、改めてまとめてみた。

 

 

今年10歳になる上の息子は未だにおねしょ(夜尿症)が治らずにいた。

6歳になってから小児泌尿器科に通って投薬による治療を行っていたが改善せず。

 

9歳(小学4年生)になってから精密検査を行い、膀胱が尿のあるなしに関係なく突然収縮しているのが発見された。

さらに脳神経外科MRI検査で「脊髄脂肪腫」があることを指摘された。

脊髄脂肪腫 概要

 

脊髄脂肪腫は夜尿症の原因になるばかりでなく、放っておくと下肢の運動機能にも悪影響が出る可能性があり、早めに手術を行ったほうがよいとのことで、夏休みに手術を受けることにした。

 

ツマ(エホバの証人一世)は手術に反対。

脊髄脂肪腫を放置しておく危険を説明したにも関わらず「別に手術しなくてもいいじゃない」という始末。

ツマが義母と病院へ行き、説明を受けた後は何も言わなくなったため、手術を受けることに納得したものと思い込んでいた。

 

入院日は仕事が入っていたため、手続きその他はツマまかせだった。

しかし、輸血に関する同意書へのサインをツマが拒否したため、息子は入院できずそのまま帰宅。

義母からの電話で初めてそれを知った自分は急いで帰宅してツマを問い詰めた。

理由はもちろんJWの教理に従ったため。

 

 

入院に失敗した原因として

・(なおじが)手術に関わるのが初めてで、事前に相談したにも関わらず輸血に関する同意書を入院前に交わすと知らなかったこと

 (知っていれば担当医と話をして、入院前にツマを通さずに輸血に関する同意書を渡すことができた)

・ツマが何も言わなくなった時点で、ツマが手術に納得してくれたものと思い込んでしまったこと

・輸血の必要はほぼないと聞いていたため油断したこと(今回の手術では、輸血に関する同意書は書かないものと思い込んでいた)

 

 

今回の一件で分かったこと

・現在のJW医療委員(HLC)がまったく機能していなかったこと

 ツマから息子の手術情報は入手していたはずだが、事前に無輸血手術を行う病院の調査をすることもなく、ツマに病院を紹介することもしなかった。

 これから察するに、ツマが輸血に関する同意書にサインしても黙認していた可能性もある。

 夏の入院拒否後の話し合いにHLCの人間は現れず、長老二人が医療とは関係のない話にばかりで時間を無駄にした。そして現在に至るまでHLCに会っていない。

 後に長老から送られてきたメールには、無輸血手術をしてくれる病院を見つけるのが非常に難しいことと、融通の効く対応をしてくれる病院が✕✕病院(手術を受ける予定だった病院)であること、が書かれていた。

 であれば、前例を元にして入院前にツマにアドバイスもできただろうに、それをしなかった。そのアドバイスがあれば、事前に多少もめても入院拒否は防げたかもしれない。

 

・信者同士のコミュニケーションが表面上のものでしかないこと

 おそらく会衆内で子供の手術を行った人も少なからずいただろうが、自分たちの経験をツマに話した者が皆無だったであろうこと。

 自分が「霊的でない」と指摘されるのを恐れていたのかもしれない。

 ツマは若長老のツマと仲良しなので、間違いなく手術の情報は長老に伝わっていたはず。何しろ入院時に息子とツマを病院まで車で送ったのはチョーツマだったのだから。

 

 

その後改めて手術の予約をして、冬休み前に手術を行った。

「輸血に関する同意書」は担当医に相談し、自分が事前に提出することでクリアした。同様な事例を何件も行ってきたと、相談した時に初めて聞いた。

おおみそか前に退院し、1ヶ月ほど安静に過ごした。

1月半ばの問診で運動も許可され、今は元気に遊び回っている。

 

夜尿症については劇的に治る、というわけではないらしく、徐々によくなっていく(のでは)、という話だった。

ただ今日まで一週間連続でおねしょをしていない(ここ2,3年で初めて)ので、状況の改善にかなり期待している。

 

 

ということでエホバの証人を親に持つ子供の手術に関してまとめ。

・ちょっとした手術にも「輸血に関する同意書」を提出する必要がある。

・「輸血に関する同意書」はあくまでも保険であって、輸血をする確率が0.1%であっても必要。

エホバの証人に関わった(関わってしまった)医療機関はそれなりの対応をしてくださる。基本的に命を救うことが目的の職業なので、手術自体を面倒なもの(無輸血手術とか)にしない限りは非常に協力的だと思われる。

・「輸血に関する同意書」は両親のどちらかが書けばいいので、配偶者が輸血に反対するようであれば、配偶者の関知しないところで事前に提出しておくのがベスト。入院時に反対者の前で同意書を提出しようとすると、もめる可能性もあるのでおすすめできない。

・緊急手術で子供に必要な輸血を親が拒否する場合は、児童相談所の介入する「一時的な親権剥奪」が行使され、手術を強行することになると思われる(自身の体験ではないのであくまでも予想として)。片親が輸血に同意する場合に、反対する配偶者の対応をどうするかが自分には分からない。

 ちなみに今回の手術のケースでは、ひどく急ぐ手術ではないため、児童相談所の介入はできないそうで。

エホバの証人の親は「医療側がエホバの証人の要求を受け入れてくれた」という気持ちになりたがるようで、「エホバの証人の教理を理解していただいてありがとうございます」といったお礼の手紙を担当医に渡すようだ(ツマがそうだったがおそらく長老の入れ知恵だろう)。

 手紙自体は無害なので、エホバの証人の顔を上っ面でも立ててあげておいた方が後々面倒くさくなくていいだろう。

 

 

最後に。

この記事を読まれた方、もし身近にJWの子供の手術で悩む非信者もしくは覚醒した現役の親がいらっしゃったら、この内容を伝えてあげてください。

JWのお子さんに、宗教の害を避けて手術を行う時の参考になれば幸いです。

 

紙に祈っても解決しなかったから、人は医療や生活する技術を向上させてきました。

JW配偶者を持つ非信者の親御さん、会衆の同調圧力に苦しんでいる現役の親御さん、子供たちの命と健康を守るために、紙に頼らぬ最善を尽くしましょう。