花粉を水に変えるマスク?
花粉症の季節。
自分も20年前に発症して、毎年3月〜5月は目がショボショボで鼻水ズルズルの日々が続く。それほどひどくはないので、マスクをつけて市販の目薬を差していればなんとかしのげる。
さて、先日乗った山手線の車内TVで、海老蔵さんが出演しているCMを見た。
え、花粉を水に変えるマスク?
その錬金術的な言葉を聞いただけであやしいと感じた。
CMに有名人が出演しているから信頼できると思いこむのは思考停止だ。
上のリンクでDR.C医薬のサイトを見てみるが、花粉を水に変えるメカニズムもなんだかうさん臭い。
タンパク質と書いておきながら、「ハイドロ銀チタン」で分解している対象が「nCmHwO」(n,m,wはそれぞれ炭素原子・水素原子・酸素原子の数を示すものと思われる)という炭化水素であり、タンパク質であればN(窒素)やS(硫黄)も含まれていなければならない。
ちなみにそれらをまともに含んだタンパク質が本当に水とそれ以外に分解されるならば、アンモニア(NH3:数字は下付き小文字)や二酸化硫黄(SO2:数字は下付き小文字)や硫化水素(H2S:数字は下付き小文字)が発生する可能性がある(もし間違っていたらどなたかご指摘ください)。
実際に使用してみた方がどう感じたかをNAVERまとめで見てみると、
思ったよりも「効果がある」と感じている方が多い。
しかしこれがメーカーの謳っている「花粉を水に変える」ことによるものか、単純に花粉をシャットアウトする機能が優れているか、ということが分からない。
プラセボ効果もあるだろうし、マスクにしては高価な製品ということもあり、「高いんだから効果があるはずだ」という思い込みもかなりあるんじゃないかと思っている。
DR.C医薬で二重盲検法を用いて1000人単位で検証を行えばよいと思うのだが、やっている様子がない。
この製品をあやしいと感じている人はそれなりにいるようで、いくつかの批判記事が載っていたので上げておく。
自分としてはあやしい派なのでこのマスクを買う気もないしおすすめもしない。
とはいえ、少しでも症状が和らぐなら!と藁にもすがる思いでマスクを買う方もいるだろう。
実際に効き目があるなら、それがハイドロ銀チタン(ハイドロという接頭語がすでにあやしい)によるものなのか、マスクの構造によるものなのかはっきりさせた方が、将来的にも会社の利益になると思うのだけど。
花粉症に悩む皆様、(その他あやしい医療法も含めて)どうぞご注意ください。
2019.4.5追記:NATROMさんが記事を掲載しましたのでリンクを貼っておきます。