中東書記(聖書と呼ばれる書き物)を読まない男、紙様にぼやく

本、新聞などの記事について もごもごと感想を書きつつ、どこぞのカルト宗教に取り込まれてしまった方々についてぼやいております。

本の紹介「FACTFULNESS」

ちょっと前に話題になった本。

思い込みで世界を悲観的に見るのではなく、データによって正しく判断しよう、という内容と書けばいいのか。

 

ん?前記事の「悲観する力」は、悲観することから物事の不測の事態に備えようという内容だったが、それとは相反するものなのか?

しかし、読み進めるうちにそうではないと感じた。

どちらも「思考停止を起こすな」ということでは共通している。

 

本の内容では、人は物事を悲観的に捉えがちで「世界の状況は(どんなことも)悪くなっている」と考え、貧困地域に住む人々は何十年先もそのまま変わらない生活を送るものと思っているそうな。

実際にはそうではなく、多くの地域では事態の改善がなされている。教育・インフラ・医療について、自分たちの悲観な思い込みによる間違いを正しいデータを元に指摘している。

 

JWに関わってしまったせいもあるが、宗教(特に一神教)もこの思い込みをうまく使って人々の不安をあおっていると感じた。

エホバの証人にこの本を読ませたらどんな感想を抱くだろう。

「これはフェイクニュースだ!」とでも言うだろうか。

 

「可能主義」という言葉にも興味を持った。

思い込みによる判断は、資源やエネルギーや人材を無駄なことに投入する恐れがある。

そして悲観するだけで何もしないのではなく、「どうすればこの事態を改善できるだろうか」という考え方が必要だ。

「紙に祈れば楽園に行ける」という言葉がどれだけ薄っぺらいか。

人間は紙に頼らず自分たちで世界を改善してきたのだ。

 

巻末の資料や参考文献などの記載も多く、ウェブで閲覧できる無料のデータもある。

世界を正しく見るために著者やその仲間たちの努力に敬意を表する。

記事ではよいレビューになっていないので、興味のある方はぜひ読んでいただきたい。

 

著者のハンス・ロスリング氏は2017年2月に亡くなっている。

いい人ほど早く亡くなってしまうんだなあ・・・と思うのも思い込みだ。