『預言者』
たまたま読んでいたビジネス本の最後に一遍の詩が載っていた。
経営者が経営ビジョンに対して抱くべき「所有欲なき責任感」をよく表しているものらしい。
あなたの子は、あなたの子ではありません。
自らを保つこと、それが命の願望。そこから生まれた息子や娘、それがあなたの子なのです。
あなたを通ってやって来ますが、あなたからではなく、あなたと一緒にいますが、それていてあなたのものではないのです。
子に愛を注ぐがよい。でも考えは別です。
子には子の考えがあるからです。
あなたの上に子の体を住まわせるがよい。でもその魂は別です。子の魂は明日の家に住んでいて、あなたは夢の中にでも、そこには立ち入れないのです。
子のようになろうと務めるがよい。でも、子をあなたのようにしようとしてはいけません。
なぜなら、命はあとへは戻らず、昨日と一緒に留まってもいません。
あなたは弓です。その弓から、子は生きた矢となって放たれていきます。射手は無窮の道程にある的を見ながら、力強くあなたを引きしぼるのです。かれの矢が早く遠くに飛んでいくために。
あの射手に引きしぼられるとは、なんと有難いことではありませんか。
なぜなら、射手が、飛んでいく矢を愛しているのなら、留まっている弓をも愛しているのですから。
『預言者』(カリール・ジブラン) より
100年以上前も過干渉な親はいたのだなあ、と感じた。
この詩の内容に共感する。