Pretender
日曜日。
ずぼらなソースは上履きを洗わないでいた。
夕方くらいにツマがソースに「上履き洗わないの?」と高圧的に尋ねていた。
「別に洗わなくてもきれいだし(大嘘)」と返すソースに、聞き取れない感情的な言葉を浴びせていたツマ。要約すれば「どうでもいいから上履きを洗え」ということを言ってたんだろう。
翌日、月曜日、小学校は通常営業。
ベランダから上履きを持ってきたソースが「ああ、乾いてない」とつぶやいた。まさか日曜日の夕方に上履きを洗って日の当たらないベランダに出していたのか・・・!
ソースはまだ湿っている上履きにドライヤーをあてて乾かそうとするが、あと5分で家を出なくてはならない。
今日は別の履物を持っていったら?、という提案を頑なに拒否するソース。ツマも同じことを言ったが反応は同じ。
結局湿ったままの上履きを持ってソースは出かけていった。
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日曜日の朝までに上履きを洗わなかったソースも悪い。
しかし、日曜日の夕方になって「上履きを洗え」と言ったツマの神経を疑う。
冬の夕方に上履きを洗って、日の当たらぬベランダに干して乾くか・・・普通に想像すれば結果は明らかだろう。
それを分かっていてソースに「上履きを洗え」と言うならそれはいじめとか虐待に当たるし、知らずに言ったなら経験から何も学ばないおバカさんだ。そもそも自分の洗濯では、この時期乾きそうにない洗濯物を早々に風呂場に持っていき温風乾燥をかけているというのに、息子には「洗え!」だけでその後のサポートがない。
せめて風呂場に置いておけば、外に置くよりは乾いていただろうに。
3日ほど前からツマの方から朝のあいさつをしてくるようになったが、自分は無視している。「O・HA・YO・U」の文字を発音しているだけで、相手に朝のあいさつをしているように感じない。それ以前に自分に言っているように聞こえない。それほど自分の心は冷めている。それどころか絶対零度に近いかもしれない。
あいさつを返さないことにツマは怒ったが、自分には良心の呵責を微塵も感じなかった。
正直なところ、別次元に飛んでいってほしい。
最近になって初めて「Official髭男dism」をまともに聴いた。
男が女性を振る歌ってめずらしいなあ、と思って聴いていたが、相手を貶めて振るんじゃなくて、それなりに敬意を込めて相手との別れを告げているんだなあ。
お付き合いした女性の数は片手で足りるほどだけど、感覚的に「あ、合わない」と思う時がある。相手がどんなに素敵でもなんか違う、相手との未来を想像できない、という違和感のようなもの。髭男はそんな男の気持ちを歌っているんだと思う。
「君は僕の運命の人じゃない」
うん、君(ツマ)は僕(なおじ)の運命の人じゃない。
運命の人を探したまへ。エホバが導いてくれるよ。
自分も探す(見つからないかもしれないけど)。