チチのタマシイ
自分が子供の頃は、父の日って母の日ほどにはお祝いするようなイメージはなかった。
父は仕事その他で忙しく、土曜も日曜も出かけていた。
平日仕事が終わって帰宅するのは18時くらいだったが、当時祖父が週3,4回自宅で催していた宴会に参加していると、子供と接する機会はなかなかなかった。
たまに宴会のない日も、ご飯を食べて風呂に入ると寝室に直行し、部屋にあるTVを観てそのまま寝てしまっていた。
その頃は父に感謝するとかしないとかを考えもしなかったので、父の日のお祝いなどまったくしなかった。それ以前に父が自分と長時間何かをする、ということがなかったのだ。
とはいえ父に自分の行動を邪魔されたことはなかったので、負の感情を抱いたことはない。
おそらく父は子供のことは(信頼を置いて)母まかせにしたのだろうし、生活に困らない程度の収入を得ていた。
ただ、自分がチチとなった今、父に何かを尋ねようとしても答えが思い浮かばない。
父だったらこんな時どうしていたんだろうという想像がつかない。
勉強について口出しされたことは一度もない。何か言われたのは、高校進学時の志望校の選択くらいだった。
就職して東京に転籍後、無断で仕事を辞めて今の職についた時、父は自分と縁を切るつもりだったと後から母に聞いた。当時そのことを父や母に相談するという考えがなかったのは確かだ。
今この状況で思う。
「父だったらこんな状況になった時どうしていただろう」って。
母がJW堕ちすることはなかっただろうと思うが、姉が生まれた頃は相当つらい思いをしていたようだから、JWに接触していたらもしかして・・・などと思ったりもする。
取り返しのつかない状態になってから修羅場を迎えていたかもしれない。
とりあえずおかしな新興宗教にひっかからない程度の人間に育ててくれてありがたく思う。
何より個人の自由を尊重してくれたことに関しては、父にも母にも感謝してもしきれない。
ボヤージュがだんだん自分を避けなくなってきた。
休みの日は同じ部屋で過ごす時間が増えてきた。
ベランダで飼っているメダカがたくさん卵を産んでいるので、3日に1度はボヤージュと一緒に卵の採取をしている。
寝転がって新聞を読んでいると背中に乗ってきたり、じゃれついてくることが増えてきた。
ボヤージュの状況が良い方向に向かっているといいな。
運良く息子たちが子供を持つ身になった時「チチはこの時どう思っていたんだろう」なんて考えてくれるならしめたものだ。
今日はチューハイをもう1本飲む。
JWの集団圧力が弱まっている今は、子供との関係を良好にする絶好のチャンスですぜ、非信者のお父様たち!!!!!