児童文学と侮るなかれ
フォローしているブログで紹介されていた本が気になって、図書館に行った。
図書館に出かける前まではその本の名前を憶えていたのに、到着した時にはその本の題名を忘れていた。女の子の名前で、末尾が「秘密」だったことは分かるのだが。
しょうがないので児童文学(外国作品)の棚を端から見て回ることにした。
本を見たら題名も思い出すだろうと思ったからだ。
つらつらと棚を眺めていると「魔少女ビーティ・ボゥ」という題名が目に入った。
魔少年じゃなくて魔少女・・・
ご存知の方もいると思うが、「ジョジョの奇妙な冒険」の著者、荒木飛呂彦氏の初期の連載に「魔少年ビーティ」という作品があるのだ。
何か関連があるのかと思い手に取った。
結局目的の本の1冊は見つけられず、「魔少女ビーティ・ボウ」と「貸出禁止の本をすくえ!」という本を借りてきた。
さて、「魔少女ビーティ・ボウ」。
母親と二人暮しの少女アビゲール(仮名)が、ある女の子を追いかけて迷い込んだ世界の話。
「魔少年ビーティ」とは関連がなさそうだったが、内容は予想以上に素敵なものだった。
少女が大人に変化する。つぼみが開いていき、鮮やかな色を見せるまでじっと観察しているような感覚を味わった。
もう1冊の本「貸出禁止の本をすくえ!」は、元々探そうとしていた本に関連したもの。
これもよい内容だった。
自分の本心を伝えることが苦手な女の子が、お気に入りの本が貸し出し禁止になったことで行動を起こし、成長していく。
本の中で権利についての記述もあり、年齢に関係なく主張できる権利があることを主人公が知る。これは都合の悪いことだと思う大人(特に親)が多数いることだろう。
しかしこれを知ることで子供が親の支配から抜けるきっかけになるかもしれない。
子供にぜひすすめたいし、できれば大人にも読んでもらいたい。
いわゆる児童文学は基本的に子供のために書かれていると思うが、子供をだますような内容ではない。そして大人には物足りない内容、ということは決してない。むしろ、忘れてしまったあの頃の感覚を思い出すかもしれないし、自分の子供の心に寄り添うきっかけになるかもしれない。
何か機会があったら、目に止まった本を手にとってみてほしい。