中東書記(聖書と呼ばれる書き物)を読まない男、紙様にぼやく

本、新聞などの記事について もごもごと感想を書きつつ、どこぞのカルト宗教に取り込まれてしまった方々についてぼやいております。

ゆきといえば

かれこれ35年くらい前になる。

 

実家のある静岡は、めったに雪が降らない場所だった。

たまに雪が降っても積もることはなく、翌朝、地面のところどころに痕跡が残る程度だった。

 

中2の冬、めずらしく大雪が降り、家の屋根にもうっすら雪が積もった。

帰宅後、弟と一緒に屋根に登り、屋根の雪をかき集めて雪合戦なんぞをしていた。

 

しかし雪が降っているとはいえ、比較的暖かかったため雪が溶けかけていた。

屋根の頂上付近に登りかけたところで足を滑らせ、屋根のてっぺんに鼻を強打した。

腹ばいに転んだ自分はそのままズリズリと屋根を滑っていった。そのままだと下に落ちる。あわてた弟が手を貸してくれたが、腹ばいから仰向けになっただけで止まらない。

 

たまたま屋根の少し先に、隣の家の2階部分のフェンスがあったため、足をまっすぐ伸ばしてフェンスにふんばって、かろうじて落下を免れた。

 

屋根には点々と赤いしみ(鼻血)が残り、屋根にぶつけた鼻の上が腫れ上がった。

腫れ上がった鼻の上はそのまま戻ることはなかった。何年かは、視界の真ん中を邪魔する肌色の物体がうっとうしくてたまらなかった。

 

そんなことを思い出したのは、会社からの帰宅途中、スリランカからの留学生に道を尋ねられたから。

日本語がけっこう達者だったので、会話に困ることはなかった。

彼が自分をまじまじと見ながら「なにじん?」と聞いてきたので「ニホンジン」と答えると、意外そうな顔をして「まじってない?」とか言われた。「まじってないはずなんだけどねー」と別に腹を立てるでもなく答えた。

 

外国人に対して警戒心を抱かないのは自分の顔が日本人とちょっと違うと思われていることがあるのかもしれない。

 

そんな、大雪から3日経ってからのお話。