あこがれ
本屋さんに売られている本や図書館で借りている本を自然に読んでいても違和感を感じない。
そう、これは通常当たり前の感覚。
しかし、違和感なく読めるということはすごいことなのだと思う。
同じような文章を自分で書こうと思ってみても大概挫折する。
どのようなストーリーにしようか、という構想がまったくないせいもあるが、それ以上に問題なのが、「自分が表現したいと欲するイメージをどれだけ正確に表現できるか」ということだ。
西の空に沈む太陽を見て「きれいな夕焼けだ」と片付けるのは簡単だ。
それを様々な言葉を駆使して「きれいな夕焼け」以上の疑似体験を読者に提供する、それが作家の仕事なのだと思う。
音楽にしてもそう。
美しい歌は曲と歌詞が見事に融合している。
自分が作る歌など、曲に対して歌詞がうまくのらない。つまり歌ってみて違和感を感じてしまう。それじゃあダメなのだ。たくさんの言葉を曲にあてはめてみて、自然な言葉を曲にふんわりとのせるのだ。
個人的に日本語オペラは好きじゃない。聞いていて違和感ばかりを感じる。歌詞にふさわしいメロディーが作れないものかといつも思う(もちろん自分にできないことは棚上げして)。
劇団四季のミュージカルでは、かなり自然な歌詞を曲に乗せている。
だからオペラでもできないことはないはずだ。
何にしても、小説家と呼ばれる方の書かれた文章は美しい。
自分もそんな自然に体に染み渡る文を書きたいと思うが、まだまだ修行が足りない。
世界の小説家・音楽家の皆さんに敬意を表します。そして素敵な文章を書くブロガーさんにも敬意を表します。自分もあやかりたいと思っています。