メガネと塾と鼻水と
2週間ほど前、眼科に行った上の息子(ソース)から、携帯にメールが届いた。
ごめん、から始まったその内容は、視力が落ちたから眼鏡を作らなきゃならない、ということだった。
謝るということは、視力を悪くする原因は自分にあったと思っていたのだろうか。
帰宅してからソースに、「今度の日曜日までに視力の悪くなる原因を原稿用紙2枚以内にまとめなさい」と言ったら、忘れずに日曜日の晩に提出してきた。
まあそれなりの内容が書いてあったが、本人がそれを踏まえて生活しているかはちとあやしい。
おそらく直接の原因はスマホの使いすぎなんだと自分は思っている。
昨年2月にスマホを与えて、半年後の健康診断で視力がガタ落ちした。それで眼科通いが続いていたのだ。もちろん遺伝による視力低下も要因になっているのかもしれないが、小さな画面に瞳孔を何時間も固定していたら目の機能は落ちるだろう。
少し後の休みにソースと眼鏡屋へ行った。
眼鏡市場という比較的安く眼鏡を売っているお店だったので、2万程度で購入できた。
もちろんブルーライトを軽減するコーティングもお願いした。
最近の眼鏡はフレームが軽いので、ソースもそれほど違和感なく受け入れたが、帰宅してすぐにスマホをいじりだし、まったく反省の色が見えない。
「ブルーライト低減メガネをかけたからといって視力が回復するわけじゃないからね」と言ったが、馬の耳に念仏よろしくどこ吹く風、といった感じ。
自分も視力が落ちてきて「そろそろ眼鏡が必要なのかなあ」と思っていたが、息子の眼鏡代で自分の眼鏡はしばらくお預けにしようと思った。努力せねば。
それから一週間後、「オレ、塾に行きたい」と言い出したソース。
通知表の評価はほぼオール3。しかしながらその3は2に限りなく近い。小学校からの積み上げができていないことが成績の伸びない原因なんだろう。
本人もさすがに危機感を覚えたらしく、自分に相談してきたというわけだ。
下の息子(ボヤージュ)も含めて、習い事や塾をことごとくツマに否定されてきたソース。自分で何かをしたいと言ってくれたことがまずうれしかった。中学生だったら親が同伴する必要もないし、ツマが協力しなくてもやれる。
毎月の出費がそれなりにかさみそうだが、カルト団体に投げ捨てることに比べれば非常に有効な投資になる(はず)。
とりあえず中学の授業についていける程度にはなってもらいたい。
無料体験から帰ってきたソースの反応は「わかりやすかった」とのこと。その言葉を信じよう。
さらに3日ほど後。ソースからのメールが携帯に届いた。
「のどが痛い、ごめん」
「明日病院にいく」
ごめんてなによ、と思いながら帰宅すると、ずいぶん遅いのにソースの部屋の明かりがついたまま。
部屋をのぞくと、ソースはのどが痛くて眠れないといってぐだぐだしていた。鼻詰まりも起こしている。
眠れないほどつらいのか・・・
台所にはちみつがあるのを思い出し、カップにレモン汁と混ぜてお湯で溶かしてソースに渡した。飲むと少しのどが楽になったらしく、しばらくして部屋の明かりが消えた。
それにしてもあいつは何をやっていたんだろう。自分の推測になるが、何の対処法も思い浮かばずソースを責めただけだったのか。風邪なんかどんなに予防してもかかるもんはかかる。
新型コロナウイルスの可能性も考えていたが、病院での診断は鼻かぜという結果だった。
処方された薬を飲んで楽になったようで、その翌日は遅くまで起きてこなかった。
さて新年度、世界はどうなっていくか。そんな大きなことの前に、ソースはどうなっていくか、ボヤージュはどうなっていくかをしっかり見守らないと。
そして自分はどうするか。