「ソース教のソースです」
不要不急の外出をしないようお国から圧力をかけられ数ヶ月。
うちの息子達はそれほどダメージを受けることなくお家で過ごしている、ように見えるだけなのかもしれない。
ソースがスマホ廃人化しているのも、多くのことが自分の自由にならない諦めから来ているのではないかと思うようになってきた。
さてある日、タオルケットをかぶったソースが本を読んでいた自分に近寄ってきた。
「こんにちは、ソース教のソースです」
彼はそう名乗った。
「どんなメリットがありますか?」
「毎日うまい棒1本がただでもらえます」
「入会金はありますか?」
「ありません」
「何かやらなければならない活動はあるんですか?」
「毎日ソースを拝むことです」
「他の宗教と比べて売りになることはありますか?」
「だから毎日うまい棒をただで食べられるって」
「・・・・・」
もうちょっと深く考えてもらって、どうやって教団を維持していくか、子供の教育に関してどうするだとかを尋ねればよかったが、会話はそこで終わり。
その後ソースはボヤージュと何をしているか分からないツマの部屋へと行き、同じことをやっていたようだ。ツマの反応は知らない。
何日か経った晩、ソースが自分に尋ねてきた。
「天国ってないよね」
「個人的にはないと思っている、でもあると思うことで救われている人もいるね」
なんてところから話が始まり、ギリシャ神話や北欧神話などの多神教についての簡単な説明をしたり、キリスト教が広く伝播した理由(個人的な推測)を話したりした。
こんな状態なら、ソースがJWにはまることはなさそうかなあ、と淡い期待を抱くチチ。とはいえ宗教抜きにしても将来の展望は見えない。
強制したってやりたくないものは身につかない。自分の価値観が現在・そして10年後のソースに合うかも分からない。だからモヤモヤしながらも基本的に放置している。
何かのきっかけでソースがハッと気づく瞬間は来るだろうか。