「クローディアの秘密」を読む
さて、今度こそと目的の本を借りて読んでみた。
小学生の姉と弟が家出をする話。
でも家出先は意外な場所で、姉弟はそこで見つけた謎を解くべく行動する。
タイトルにある「秘密」は、家出をしたことを秘密にする、という意味かと最初思っていたが、どうも違っていたみたい。
「魔少女ビーティ・ボウ」や「貸出禁止の本をすくえ!」でも書いたが、この「秘密」に少女の成長がつながっているように感じた。
秘密というとやましいこと、後ろ暗いこと、というイメージを抱きがちだが、この本で書かれている「秘密」は、世界に対する優越感、のようなものと表現したらいいだろうか。
もう少しよい表現があるのかもしれない。
でもその「秘密」が、子供が生きていく上での芯のようなものを与えてくれているのかも、と思っている。
親は子供のことをやたらと知りたがる。子供は親に何もかも包み隠さず明かさなければならないと思いこんでいる。
決してそんなことはない。親は必要以上に子供のことを探ることはないし、子供も親に言いたくないことは言わなくてもいいと自分は思う。
この本が貸出禁止リストに挙がったのは、おそらく子供のことをすべて知りたがる親たちが原因だろう。子供が親の知らない「秘密」を持つことへの恐れ、子供が自分の手から離れてしまうことへの不安がそうさせるのだろうか。ばかばかしい。
いずれ子供は親の加護を抜け出して自立する。それが多少早くてもかまわない。
広い宇宙へ飛び出そうとするロケットを押さえつけるのはただ、愚でしかない。
うちの息子たちが読んだらどう感じるかなあ。
何も感じないかもしれないなあ・・・