中東書記(聖書と呼ばれる書き物)を読まない男、紙様にぼやく

本、新聞などの記事について もごもごと感想を書きつつ、どこぞのカルト宗教に取り込まれてしまった方々についてぼやいております。

『あなたを閉じ込める「ずるい言葉」』を読む

たまたま新聞のレビューで目にして借りた本。

 

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読んでみて、著者の森山さんは言葉、もう少し詳しく書けば「言葉の定義」を大切にしている方だなあと感じた。

 

言葉って考えなしに使っていると、自分の思っていることが相手に伝わらないどころか相手にまったく勘違いをさせてしまうことがある。

そして、意識的にしても無意識にしても、「自分を守る」「責任をはぐらかす」「自分の非を相手の非に転換する」言葉を使うことがけっこうある。

 

その辺りをまとめて「ずるい言葉」として紹介しているのがこの本。

 

会話をもとにした例を挙げて「ずるい言葉」の説明をしているので理解しやすい。

中学生以降を対象にして書いているのだと思うが、これは子供がある程度漢字を読めるようになったらぜひ読ませたいと思った。

 

子供同士でも、子供対大人でも、大人同士でも、自分が優位に立とうだとか、自分は悪くないだとか、相手に非があって自分にはないだとかを表現するために「ずるい言葉」を使うことがある。場合によっては自分に非があるのに相手に非があるようにして相手を支配しようとする輩もいる。

その「ずるい言葉」の意図を知り、相手にはぐらかされたり騙されたりマウントされるのを防ぐ方法を指南する本でもある。

 

自分も読んでいて「ああ、こんな言葉使ってるなあ」と思うところがある。

 

「あなたのためを思って言っているんだよ」

「どちらの側にも問題があるんじゃないの」

 

なんて、けっこう使っているんじゃなかろうか。

 

この本はむしろ、親や教師が読むべきものだ。
その言葉が本当に「あなたのためを思って」かどうかを検証するいい機会になると思う。